鉄筋の継手と定着
鉄筋の継手と定着
鉄筋の継手の方法は、重ね継手、圧接継手、特殊な鉄筋継手があり、定着及び継手の長さの許容差は、長さの10%以内とされています。
@ 主節の継手の位置は、引張り力の最小の位置へ設けないといけません。
A 径の異なる鉄筋を継ぐ場合の鉄筋の継手の長さは、細い方の鉄筋の倍数とします。
B D35以上の鉄筋は、原則として重ね継手は使用しないで、ガス圧接継手を用います。
主節の継手の位置
梁上端筋・・・中央部
梁下端筋・・・端部
柱・・・中央部
鉄筋の重ね継手は表の通りとなりますが、主筋及び耐力壁の重ね継手の長さは、特記によります。特記がなければ、40d(軽量コンクリートの場合は50d)と表の重ね継手長さのうち大きい値とします。それ以外の鉄筋の重ね継手の長さは下記の表の通りとなります。
鉄筋の重ね継手の長さ
鉄筋の種類 |
コンクリートの設計基準強度Fc(N/o2) |
L1(フックあり) |
L1h(フックなし) |
---|---|---|---|
SD295A SD295B |
18 |
45d |
35d |
21 |
40d |
30d |
|
24 27 |
35d |
25d |
|
30 33 36 |
35d |
25d |
|
SD345 |
18 |
50d |
35d |
21 |
45d |
30d |
|
24 27 |
40d |
30d |
|
30 33 36 |
35d |
25d |
|
SD390 |
21 |
50d |
35d |
24 27 |
45d |
35d |
|
30 33 36 |
40d |
30d |
(注)1. L1、L1h1:重ね継手の長さ及びフックありの重ね継手の長さ。
2. フックありの場合のL1hは図に示すようにフック部分lを含まない。
3.軽量コンクリートの場合は、表の値に5dを加えたものとする。
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